人間の筋肉を見ていくと、使用用途によって違いがあるのがわかります。
トレーニングするときにも、目的に合わせて増強する部分を考えなければいけません。
そのときに重要なのが、筋肉の繊維の種類です。
大きく分けると、遅筋と速筋の2つに分類できます。
遅筋は、赤筋とも呼ばれますが、赤い色をしているのが特徴です。
酸素を多く蓄えているため、赤く見えますが、これもたんぱく質のひとつが影響しています。
酸素が多い分だけエネルギーを作り出しやすいのが特徴です。
その代りに、収縮するときのスピードはありません。
瞬間的な力という部分では弱い代わりに、連続した動きに対して疲労が蓄積しにくく、長い時間動かせます。
つまり、持久的な性格をもつ繊維であり、瞬発的な力ではないことがわかるでしょう。
年齢とともに衰えにくい筋肉につながり、マラソンランナーなどには欠かすことができません。
ほかの動物で見ると、マグロなど止まることなく泳ぎ続けるような生き物で、遅筋が必要です。
赤身の魚に置き換えて考えてみるといいでしょう。
もうひとつが、白筋とも呼ばれる速筋です。
色が白いという特徴もありますが、収縮するときの速度が早く、瞬間的に強い力を出せます。
短距離走に置き換えてみるとわかりますが、持久力より瞬発力が重視されるはずです。
このときに活躍している筋線維が速筋にあたります。
その代り、持久力が低くすぐ疲れてしまうのが特徴です。
どうしても衰えが早い筋線維としても分類されます。
魚でいうところの白身になりますが、一瞬の動きでエサをとらえたりするため、常に泳いでいるわけではない種類に見られるのが速筋です。
遅筋と速筋が重要な役割を果たしますが、実はここまで単純なわけではありません。
トレーニングでも意識する必要が出てきますが、分類として遅筋は筋線維タイプ1と呼ばれています。
酸素は英語でOxygenと呼び、収縮がSlowで遅いことからSO筋とも区別します。
このタイプ1は、高負荷をかけても大きくなったりするものではなく、低負荷をかけ続けて鍛えていくしかありません。
長い時間をかけて作り上げていく筋線維ともいえるでしょう。
速筋の中でも、筋線維タイプ2aと呼ばれるのが高速で収縮できて酸素を消費するという意味から、FO筋と称されます。
持久力も兼ね備える筋線維でもあり、トレーニングでは抵抗を掛けていくことで大きくなるのが特徴です。
極端な単距離というよりも、400mや800mといった中距離という部分に適した筋線維ととらえることができるでしょう。
負荷の設定は中程度が適しています。
速筋の中でも、高い瞬発力を持ち、酸素よりもグリコーゲンGlycogenを消費するため、FG筋と呼ばれるのが、筋線維タイプ2bです。
高付加トレーニングが必要で、100mや200mといった短距離走に必要となります。
代わりに披露しやすいため、低負荷をかけ続けていても効果をあげられません。
このタイプ2bなど速筋を鍛えていけば、見た目にも筋肉質に映ります。
逆に遅筋は鍛えても、見た目に大きな変化は出にくいのが特徴です。
筋肉は、分裂したりして増えたりはしません。
しかし、トレーニングの仕方によって、タイプ2aやタイプ2bがタイプ1に代わることは確認されています。
つまり、トレーニングによっては、持久力を身につけられるといえるでしょう。
問題は逆です。
これはまだ解明されていない部分が多く、タイプ2bからタイプ2aに変化するのは確認が進んでいますが、タイプ1が速筋になるかどうかはよくわかっていません。
それでも、オールマイティなタイプ2aに2bから変化するのであれば、トレーニングの仕方次第で目的に合わせた力を持てるといえるでしょう。
プロフィール
みなさん、こんにちは。
たまいです。
接骨院の院長をしながら、プロの格闘技家もしています。
かなり少ない女性の接骨院の院長として群馬県の館林市で活動しておりますが、学生時代はソフトボールの選手でした。
その経験を生かして、女性目線を含め、トレーニングに関する情報発信をしていこうと考えおります。
ほかにはない質の高いトレーニングや知識をご紹介していきますので、末永くよろしくお願いいたします。